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2011年10月28日 (金)

『一命』

滝口康彦の「異聞浪人記」というのが原作で、過去に仲代達也主演の『切腹』として上映された作品のリメイクなんだとか。
全然知りませんでした。

監督はゼブラーマンの三池崇史。
主演は市川海老蔵。でも、たしか暴行事件で封切延期になってたのではなかったかしら?

それにしても、救いようのない話ですよね。
戦国時代も終わって、武士がサムライらしく生きられなくなった時代に、ある者は大名家に取り立てられて出世できるが、ある者はその日の生活もままならない。

それでも、人らしく、けなげに春を待っていた。それが哀れなのだろうか。


物語は、ある落ちぶれた浪人(海老蔵)が、大名家の庭先で切腹をしたいと申し出ることから始まる。
「狂言切腹」
世間では、浪人が切腹を願い出ることで、大名家の同情を買い、金銭を貰い受けることが流行っていた。

その大名家は、以前に来た若侍が狂言切腹に来たが、当家では通用しない。
その若侍は竹光の脇差しで、哀れな切腹をして果てたことをその浪人に聞かせて、その行為自体を思いとどまらせようとしたが、浪人はあえて切腹を申し出るのだった。

実は、その若侍は浪人の娘婿。
仕えていた家が没落し、貧しいながらも武士らしく暮らしていた。
しかし浪人の娘と孫が病気になり、医者に診せる金もないため、娘婿が金策のために狂言切腹をしに、その大名家に行ったのだった。

切腹の場で、一言申し上げたきことがあるといって、そのことを話す浪人。
若侍の切腹の様子を哀れと話す大名家に対し、そのようなことをしなければならない境遇を哀れと思う人はいないのか、と問う浪人。

人らしく、けなげに春を待っていただけなのに。


と、まあこんな感じで、孫は病気で死に、若侍が哀れな姿で帰ってきて、娘は後を追って自決。
残された浪人の心情は、とても救いようが無く、空しさだけが残りました。


それにしても海老蔵の目は凄いですね。
あの状況の中で、あの目で見つめられると、さすがにびびるなぁ。


さて、本作は3Dでも上映されていたそうですが、ワタシには3Dにする意義は感じられませんでした。
立体映像などに気を取られず、じっくり作品に没頭できますからね。

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