ついに完結してしまいました。
そして読み終えてしまいました。
石ノ森章太郎大先生が、死の間際までプロットを書いていた氏の集大成とも言える「サイボーグ009」
これまでも作者が書こうとして書けず2度も中断し、ついに自分の力で書き上げられなかった完結編を、作者の実息である小野寺丈氏が小説として刊行した。
全三巻。
どの巻末にも「賞賛は作者に、ご批判は全て著者である自分(小野寺氏)に」と書いてあるが、よくぞ形にしてくれたと小野寺氏を賞賛したい。
大先生の生前、ある程度の原案は書き上げられていたがパズルのピースは全て埋められる前に大先生は永遠の眠りに。
そこで後を引き継いだ氏の、過去の連載を元に隙間を埋めていく作業は、到底楽ではなかったはずだ。
さらに、この名作の完結編と言うことでの重圧。
大先生もよくここまで仕上げてくれた、と思ってくれているのではないでしょうか?
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しかし、完結編。神々との闘いである。
一、二巻は00ナンバーたちが各地で経験した神の仕業?による超常現象を、各エピソードとしてまとめているが、三巻では圧倒的な力を持って攻めてくる神に対し、瀕死の状態になってしまう。
その神と対峙するための手段を知るために、001イワンがテレパシーで過去の漫画家である石ノ森大先生に接触を試みるのが、物語の冒頭である。
三巻の神々との闘いは、それこそ世界各地の神が登場し、00ナンバーは一人一人倒されていく。
闘いの度に登場する神と天使。
人間の側に立って闘おうとする00ナンバー達が悪なのか。
神と天使とは何なのか。
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過去2回に渡って中断された神々との闘いに対する答えがここに記されていた。
確かに石ノ森章太郎大先生が思い描いたものとは違うかもしれない。
しかし、ここまで凄惨でいて圧倒的なスケールで描かれた完結編を読み終わったときに感じた虚脱感。
これは009の完結編であると思う。
そして、あのラストシーン。
これで00ナンバー達はこれ以上闘わなくて良くなったのだと思うと、感慨ひとしおである。
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