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2014年7月18日 (金)

『太秦ライムライト』

5万回切られた男・福本清三
この男の生き様を映すためだけに撮られた作品かもしれない。
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しかし、情けない。
何がって、自分がですよ。
OPを見てチャップリンのライムライトの一節が書かれているのを見て、愕然としました。
本作のタイトルは「太秦ライムライト」
そう、チャップリンの名作「ライムライト」
これを福本清三の生き様で撮り直したんじゃないか、と、映画を見るまで気づきませんでした。
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太秦の撮影所に、香美山清一(福本)という切られ役一筋の大部屋俳優がいた。
彼の切られ方は大御所俳優に「また切らせてくれ」と言わせるほどだった。
しかし時代劇衰退の昨今、香美山の仕事は激減していた。
そこに駆け出しの女優・伊賀さつき(山本千尋)と出会い、香美山の生き様に惹かれたさつきは、香美山の元で殺陣の稽古をつけてもらう。
そしてチャンスをつかみスター女優になるさつきと対照的に、体力の衰えと時代の流れを感じ、引退を決意する香美山。
時が流れ、時代劇大作の主演女優となったさつきが太秦に戻ってくると、そこに香美山の姿はなく、さつきも大切な何かを失っていたことに気づくのだった…。
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って、あらすじ書いていたら、まんまライムライトやねん。<なぜ関西弁?
晩年のチャップリンの名作ですね。
本作はライムライトへのオマージュとのことだが、老芸人が若きバレリーナを助け、引退して姿を消すのは、正に本作でもなぞっていたシナリオでした。
しかし、福本氏のように、切られ役という脇役がライムライト(スポットライト)を受ける、というのはほとんど無いでしょう。
それでも「どこかで誰かが見ていてくれる」という彼の著書にもあるように、切られ役一筋の彼の映画職人としての生き様に対して、改めて尊敬の念を持たせて頂いた。
時代劇激減の時代、確かに切られ役は減っていった。
しかし、福本清三氏のような生き様は、時代劇でなくても、どこかで誰かが見ていてくれるのだと思いたい。
そんな気持ちになる作品でした。
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しかし、上映館が少ないよ。
もう少し色々な所で上映して欲しいもんです。

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