「桜田門外の変」
大老 井伊直弼 水戸浪士に暗殺される。
近習 志村金吾は賊の1人を追っている内に、井伊直弼は暗殺されてしまう。
金吾は切腹も許されず、逃亡した5人の浪士の首を挙げるよう命令される。
しかし時代は幕末、徳川幕府も消え、元号も明治になり、金吾の属する彦根藩も廃藩置県でなくなり、武士も消えていった。
それでも浪士を追う金吾は、桜田門騒動から13年、やっとのことで最後の1人にたどり着く。
だが、その日に政府は仇討ちを禁止してしまう。
水戸浪士 佐橋十兵衛(阿部寛)もまた、騒動の直後に、仲間と共に自死することもできず、ひたすら息を潜めて生きてきたのである。
そんな中で対峙する金吾と十兵衛。
柘榴坂の上で、十兵衛が死ねなかったこの場所で、再び刃を向け合う2人…
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ということで、観てきました。
2010年に公開された「桜田門外の変」(
当ブログ記事)で、大沢たかお らが演じる水戸浪士の逃亡劇が至難であったことが描かれていた。
本作品は主君を討たれた金吾の13年間とその締めくくりであったが、水戸浪士十兵衛の13年間もまた過酷であったのだろう。
本作品の結末は、ある意味予測できた結果であった。
本作の根底にあるのは志村金吾が主君 井伊直弼の人柄に惚れていたことである。
どうも、歴史上では「安政の大獄」によって悪役にされてしまうが、開国派でもあり、「ちゃかぽん」と呼ばれるような愛嬌のある人物として描かれている。
(茶・歌・ポン(鼓)を好む風流人でもあったようだ)
金吾はそのような井伊直弼に惚れて、命に代えても守ると誓ったのに果たせず、だからこそ13年間も十兵衛を追い続けてきたのだし、だからこそあのような結末になったのだろうと思われる。
そして、金吾も十兵衛もやっと、本当の意味で解放されたのではないだろうか。
そんな終わり方であった。
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それにしても、あの当時からミサンガってあったのか?
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