入園者激減で廃園の危機にあった北海道旭川市の旭山動物園。
この動物園は、今日では来園者数日本一を誇る動物園になった。
集客数を増やす原因になったのは「行動展示」と呼ばれる、動物の身体能力を活かした行動が見られるようにした施設ができたからである。
上下に立ったガラス管の中をアザラシが泳ぐとか、アムールヒョウが眠る金網の下を歩くとか、高い柱の間に繋げたロープを器用に渡るオランウータン...。
そしてタイトルにもなった、あたかも空を飛んでいるように見せてくれるペンギンのプール。
これまでの動物園にはない斬新なアイデアが、最も有名で一度は行ってみたい動物園に成長させていったのだ。
本作は、新人飼育係が動物園園長やスタッフである飼育係たちによって成長していく姿と、旭山動物園が来園者数日本一になるまでの軌跡とが重ねられ、決して動物園のサクセスストーリーだけではない、人間ドラマが描かれていた。
園長はじめ飼育係にはモデルが実在し、ストーリーもほとんどが実話で、真実が作るドラマには敵わない。
ぜひ映画館に足を運んで見て頂きたいと思える作品だったと思う。
できれば子ども達に見せたい映画である。
なお写真はパンフレットの表紙であるが、この絵は実際に旭山動物園の飼育係で、現在は絵本作家として活躍中のあべ弘士氏の作品である。
「教室でブタを飼おうと思います。最後は皆で食べようと思います」
こうして6年2組の小学生26人はブタのPちゃんを飼育することになりました。
新任の担任星先生(妻夫木聡)は、命の尊さを教える授業を展開するために、子供のブタを持ってきて、子供達に世話をさせたのですが、飼育を続けるうちにブタに対する愛情が湧いてきて、食べるために殺すことを反対する生徒と、最後は食べる責任があるといって食肉センターに送ると主張する生徒と意見が分かれる。
卒業しても在校生に世話を続けて貰おうとお願いをし、3年生が世話を買って出るが、大きくなったPちゃんに悪戦苦闘する。
その姿を見て考えを改める6年2組の生徒達だが、それでも意見は真っ二つのまま。
最後の決断は、教師である担任星先生に委ねられ...
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1990年に大阪の小学校で実際に行われた実践教育で、日本中に話題を投じた。
ワタシは知らなかったのだが...f(^ ^;)
今の教育現場では、総合学習という「食育」や「いのちの授業」と言って「生きる力を育む教育」と言うものが重視されている。
しかし、当時はそんな教育はまだまだ普及していなかった。
そんな時代で行われていた「ブタがいた教室」、ブタの世話だけでなく「いのち」をどうするか、といった議論を子供達にさせる。
とても素晴らしいと思います。
今の時代、こんな教育を是非してみたい、させてみたいと思いますが、周りの理解が得られないと無理かなぁ(つД`)
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ワタシだったら...、いや、ここで教育論を語るのは止めましょう。
この作品、演技ではなく子供達に議論をさせたそうです。
子供達への台本はセリフの部分は白紙、ブタの飼育もしながら真剣に考えたそうです。
妻夫木聡もオーディションの時から役柄の星先生として接していたそうで、本当の教育現場のように過ごしたらしい。
確かに、映像の中で、演技とは思えないドキュメンタリーを見ているような感じでした。
最後のシーンではしんみりしましたね。
本作品をドキュメンタリー作品を見るつもりで見て欲しいと思います。
特に小・中学生に見て貰い、「食」や「いのち」を真剣に考えて欲しいと思います。
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映画館では「Pちゃんを食べる?食べない?」というアンケートを取っていました。
ワタシの意見は...
しかし、殺すにしろ殺さないにしろ、ワタシは「縁(えにし)」を大切にしたいと思います。
今日、上野動物園のパンダ「リンリン」が死んだそうです。
カンカン・ランランが来日してから約35年、ついに上野動物園にパンダがいなくなります。
しかし、所有権は中国といえど、日本の神戸や和歌山にはパンダが全部で8頭いるそうなので、何とかして上野に移動して貰えないかなぁ。
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